狂言の種類


能とあらゆる点で対照的である狂言は、主に能と能の間に上演されます。それ以外に、能の中の※アイという役があり能の演出をより際立たせます。狂言の現行曲は260曲ほどです。流派によって多少の違いはありますが以下のように分類されます。〈大蔵流分類法による〉しかし、それらは昔の名残であまり明確ではないので一般的には利用されていません。
※アイは間狂言のことで、二場面ある能の中で前シテ(前場のシテ)退場後、後シテ登場の間をつなぐ役割を果たす。

■脇狂言
福の神・果報者・お百姓などの祝言本位のもの
(例:「末広かり」・「福の神」)

■大名狂言
いばっている割に人のいい大名をシテとしたもの
(例:「靭猿」・「二人大名」)

■小名狂言
狂言の代表的人物である太郎冠者をシテとしたもの
(例:「附子」・「棒縛」)

■聟・女狂言
新聟や夫婦をあつかった曲
(例:「二人袴」・「伯母ヶ酒」)

■鬼・山伏狂言
鬼や山伏を主人公にした曲
(例:「蝸牛」・「柿山伏」)

■出家・座頭狂言
僧侶・座頭を主人公とした曲
(例:「布施無経」・「川上」)

■集狂言(雑狂言)
能の四番目物と同様にどの分類にも属さないもの、秘曲、大曲
(例:「瓜盗人」・「釣狐」)

■舞狂言
能の形式に準じて作られた特殊な狂言
(例:「蛸」・「楽阿弥」)

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