能舞台


屋根のある6m四方の本舞台と橋掛かり、鏡の間からなる能専用の舞台。ヒノキの白木造りで、必要以上の飾りがありません。床下には壷が入れてあり、音の響きを大切にしています。


能舞台の各名称


1)揚幕  2)三の松 3)橋掛り 4)二の松  5)一の松  6)シテ柱
7)目付柱  8)笛柱  9)ワキ柱 10)切り戸口 11)鏡板  12)本舞台
13).正面  14)白洲  15)地謡座  16)アト座(横板)  17)鏡の間(幕の奧)




■橋掛り

揚幕からシテ柱までの間の廊下のような部分を「橋掛かり(はしがかり)」と呼ぶ。この橋掛かりの長さは、きっちりこの長さでなければいけないというような決まりはないが、約六〜七間(12m〜15m)が標準。「橋掛かり」は単なる登・退場路でなく、例えば長い長い道程を旅する主人公の老女を、ただ歩むだけで表現したりする舞台であったりもする。
橋掛かりの松は、単に飾りに植えてあるのではなく、面を着けたシテが擦り足で運歩したり、演技する目安にもなる重要なもの。また、少しずつ高さが違うのは、遠近感を出す役割も果たす。

■柱
四本の柱に囲まれた所を本舞台と呼ぶ。四本の柱はそれぞれの呼び名があり、それぞれに役目がある。もともと四方を現しているもので、春夏秋冬、東西南北を表現している。

 1)シテ柱
橋掛かりと舞台の境にある柱に付いている呼び名。この柱を目安にシテは舞台に入り、舞台に入ったシテはこの柱の側で立つ。この柱のやや前方の場所は、主に演技の起点、終点となり、常座(じょうざ)と呼ばれる。

 2)目付柱(めつけばしら)
面(おもて)を着けた演者は、面の小さな目の穴から見える大変狭い視界でしかないので常にどこかに目標物を必要とする。舞台で舞い始めた演者が、目を付けて演技をする柱という意味で、目付柱とされている。しかしこの柱は、観客の側から見ると大変邪魔な目障りな代物であるが、取り払うことができないのは先に述べたような意味があるから。

 3)ワキ柱
ワキ方がこの柱の側に座るので、そのように呼ぶ。

 4)笛柱
お囃子の笛方がこの柱の側に座っているのでそう呼ぶ。

■鏡の間
揚幕の奥が鏡の間と呼ばれている。鏡の間は橋掛かりの延長にあり、壁に大きな鏡が取り付けられているので「鏡の間」と呼ぶ。
装束を着けたシテは、開演のしばらく前に鏡の間に入り、シテは鏡に向かって気分をつくっていく。鏡の前にある白木の台の上に置かれている能面を両手でうやうやしくいただき、顔に着ける、こうして主人公に変身していくのである。つまり鏡の間は、シテ・シテヅレが変身、すなわち化身していく大事な場所といえる。

■鏡板
舞台奥の羽目板。老松を1本描くのが決まり。


役名


能「猩々」より


シテ方

主役の「シテ」。シテと行動を共にする「ツレ」。子供が演じる「子方」。斉唱をする「地謡」。舞台進行を助ける「後見」。これらを全て担当するのがシテ方です。観世流・宝生流・金春流・金剛流・喜多流の5流派があります。

ワキ方
主役を演じる「シテ」の相手役です。最初に登場して場所・季節・状況などの場面を設定し、全体の雰囲気を作り上げ、シテの演技を支えます。宝生流・福王流・高安流の3流派があります。

囃子方
楽器の演奏を担当します。笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方の4人編成。演目によっては太鼓方が加わりません。笛方は一噌流・藤田流・森田流の3流派。小鼓方は大倉流・観世流・幸流・幸清流の4流派。大鼓方は石井流・大倉流・かど野流・観世流・高安流・の5流派。太鼓方は観世流・金春流の2流派があります。

狂言方
多くの能は前半と後半に場面が分かれています。その間をつなぐのが狂言方で、「間(アイ)狂言」と呼ばれます。また、能とは独立した劇としての「狂言」を演じます。大蔵流・和泉流の2流派があります。




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